郷田真隆という男

将棋ファンの方はご存知であろう羽生世代のうちのひとりだが、去年王将位を渡辺明から奪取した。

 

年齢で言えば渡辺は30代前半で郷田は40代半ばで将棋界の常識で言えば郷田は不利、それどころか40歳を過ぎてからのタイトル獲得はほぼ不可能といったジンクスさえ存在するなか彼はそれをやり遂げた。

 

もちろんこのジンクスには例外も存在していて、大山15世、中原16世といった将棋史の巨星や近年では羽生名人やタイトル獲得こそならなかったが、行方八段が棋界最高峰の名人戦を今年挑戦したという例もある。

 

元々郷田‘‘新‘‘王将は羽生世代の中でも安定して結果を出し続けてきた人物の一人で、王将だけではなく棋王棋聖と王位の計五期を獲得している。

 

羽生世代でいえば大体名前が挙がるのは羽生善治森内俊之、あとは佐藤康光あたりだろうか?確かに上記の方々は傑出した実力や才能を持っているが個人的には郷田先生が好きだ。何故なら派手な手こそ少ないが、基本に忠実で綺麗な駒運びで地道に勝利を積み重ね、それが今の安定したキャリアに反映されているからだ。